防災白書のやさしい解説 15
【熊本地震を踏まえた応急対策・生活支援検討WGについて(その2)】
自治体支援の状況と課題
第1回のWGでは、これからの検討の方向性が示されると共に、熊本地震における自治体支援、避難所運営、住まいの確保、物資支援の対応状況と課題を共有しました。
熊本地震では、国は防衛省・自衛隊、海上保安庁、農林水産省、国土交通省の職員や各省庁のリエゾンを派遣しました。また国等が関与して、緊急消防援助隊、警察災害派遣隊、医療対策要員(DMAT等)、給水・応急復旧要員(日本水道協会、全国管工事業協同組合連合会)災害廃棄物処理支援ネットワーク(環境省)、応急危険度判定士(国土交通省)、農地・農業用施設復旧要員(農林水産省)の要員が派遣されました。
また、平素から準備していた九州・山口9県災害時応援協定、関西広域連合と九州地方知事会との災害時の相互応援協定、九州九都市災害時相互応援に関する協定、21大都市災害時相互応援に関する協定、熊本県市町村災害時総合応援協定による応援職員の派遣が行われました。
上記の国や地方公共団体相互の応援協定による相互支援体制は全国的には整いつつあるものの、熊本地震では、被災地方公共団体の応援を受け入れる体制、受援計画の具体化が進んでいない現状が指摘されました。
事実、協定などにより避難所運営支援の応援に派遣された他都道府県の職員は、自ら宿泊先や交通手段を確保しました。派遣される職員が九州出身者以外の場合などは九州の地理に詳しい職員の助言を受けながらなんとか対応できましたが、首都圏や東南海地方が被災する場合などを想定するならば、あらかじめ広域の受援計画を策定しておく必要性があると考えられます。
また、27年の関東・東北豪雨災害等を受けたWGの報告では、被災市町村は自らが被災者であり、かつ膨大な災害対応業務を実施しなければならないことから意志決定が遅延しがちで、このことに対する支援や地元職員、外部支援者との総合調整に関する支援が弱かった、としています。
以上から、今後は単に応援職員を派遣するだけでなく、被災した場合を想定した地方公共団体の受援計画の策定や、被災地方公共団体の意志決定支援の在り方などが検討されることになると考えらます。
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